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FP3級 金融資産運用の頻出論点まとめ・攻略ガイド

「金融資産運用」は、預貯金・債券・株式・投資信託といった金融商品の仕組みと、それぞれにかかる税金を扱う分野です。用語や計算式(利回り計算、株価指標など)が多く登場するため、丸暗記だけでは対応しづらい一方、計算のパターンさえつかめば安定して得点しやすい分野でもあります。学科試験60問のうち他分野と同程度の出題数が見込まれ、計算問題は実技試験にもつながる重要な基礎になります。

1. 景気・経済指標の基礎

金融資産運用の前提として、経済全体の動きを示す指標の理解が問われます。国内総生産(GDP)は一定期間に国内で生み出された付加価値の合計を表す指標で、景気の拡大・後退の大まかな流れをつかむのに使われます。景気動向指数は生産・雇用など複数の指標を統合した指数で、内閣府が公表します。日銀短観(全国企業短期経済観測調査)は日本銀行が企業に対して行うアンケート調査で、業況判断DIなどが景気の実感を示す指標として利用されます。マネーストックは金融機関・中央政府以外が保有する通貨量の残高を示す指標です。それぞれ「誰が」「何を」対象に作成しているかを整理しておきましょう。

2. 金融市場と金融政策

金融市場は、取引期間が1年未満の短期金融市場と、1年以上の長期金融市場に分かれます。日本銀行は物価の安定を目的として金融政策を行い、代表的な手段が公開市場操作(オペレーション)です。金融機関に資金を供給する買いオペと、資金を吸収する売りオペの違い、それぞれが市場金利に与える影響の方向性は頻出の論点です。

3. 貯蓄型金融商品と債券

貯蓄型金融商品には、普通預金・定期預金などの銀行の商品のほか、ゆうちょ銀行や信用金庫の商品などがあります。債券(特に個人向け国債などの固定利付債)では、額面・表面利率(クーポンレート)・発行価格・償還までの期間をもとに利回りを計算する問題が頻出です。基本の考え方は「(表面利率+(償還価格-購入価格)÷所有期間)÷購入価格×100」という所有期間利回りの計算式で、市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が低下すると債券価格は上昇するという価格と金利の逆相関の関係も重要です。また債券の信用度を表す格付けは、一般にBBB(トリプルB)相当以上が投資適格債とされ、それより格付けが低いものは投機的格付債(ハイイールド債)と呼ばれます。

4. 株式投資と株価指標

株式市場の全体の値動きを示す代表的な指標に、東京証券取引所に上場する代表的な銘柄の株価から算出される日経平均株価(日経225)や、東証株価指数(TOPIX)があります。個別銘柄の投資判断に使われる指標としては、株価が1株当たり純利益(EPS)の何倍かを示すPER(株価収益率)、株価が1株当たり純資産(BPS)の何倍かを示すPBR(株価純資産倍率)、自己資本に対してどれだけ利益を上げているかを示すROE(自己資本利益率)、株価に対する1株当たり配当金の割合を示す配当利回りなどがあります。それぞれの計算式(分子・分母に何を使うか)を正確に覚えることが得点のポイントです。

5. 投資信託の仕組みと分類

投資信託は、投資家から集めた資金を運用の専門家(委託者・運用会社)がまとめて株式や債券などに投資し、その成果を投資家に分配する仕組みの金融商品です。運用方針によって、市場平均に連動する運用を目指すパッシブ運用(インデックス運用)と、市場平均を上回る成果を目指すアクティブ運用に分かれます。投資信託にかかる主なコストとして、購入時に支払う購入時手数料、保有期間中継続的にかかる運用管理費用(信託報酬)、解約時に差し引かれることがある信託財産留保額の3つがあり、それぞれ発生するタイミングが異なる点を整理しておきましょう。

6. 外貨建て金融商品と為替の基礎

外貨預金や外貨建てMMFなど外貨建て金融商品は、為替レートの変動によって円換算の受取額が変わる為替リスクを伴います。円を外貨に換えるときに適用されるTTS(対顧客電信売相場)と、外貨を円に換えるときに適用されるTTB(対顧客電信買相場)の違い、およびその間にある基準となる仲値(TTM)の関係を理解しておくと、為替差損益の計算問題に対応しやすくなります。

7. ポートフォリオ理論の基礎

複数の資産を組み合わせて運用するポートフォリオ運用では、値動きの異なる資産を組み合わせることでリスクを分散する考え方が基本になります。2つの資産の値動きの連動性を示す指標が相関係数で、値は-1から+1の範囲をとり、+1に近いほど同じ方向に動きやすく、-1に近いほど逆方向に動きやすいことを示します。相関係数が低い(または負の)資産を組み合わせるほど、分散投資によるリスク低減効果が大きくなる点は頻出です。

8. 金融商品と税金・セーフティネット

金融商品から生じる利益への課税は商品ごとに異なり、上場株式等の配当・譲渡益、投資信託の分配金・譲渡益などは原則として申告分離課税の対象となります。NISA(少額投資非課税制度)は、一定の非課税投資枠内で得られた配当・分配金・譲渡益が非課税になる制度で、制度の仕組み(口座の種類、非課税の対象となる利益の範囲)を理解しておくことが重要です。またもしもの備えとして、銀行が破綻した場合に一定額まで預金を保護する預金保険制度、証券会社が破綻した場合に顧客資産を保護する投資者保護基金など、セーフティネットの仕組みも押さえておきましょう。

理解度チェック(4問)

ここまでの内容が身についたか、その場で確認できます。選択肢を選ぶと正解と解説が出ます。

Q1. 市場金利が上昇すると、既に発行されている固定利付債券の価格は、一般に上昇する。

答えと解説

正解:×

市場金利と債券価格は逆の動きをします。金利が上昇すると、相対的に魅力が下がった既発債は価格が下落し、利回りが市場水準に近づきます。「金利上昇→債券価格下落」はFP試験の頻出ポイントです。

Q2. PER(株価収益率)は、株価を1株当たり純資産で除して算出される指標である。

答えと解説

正解:×

PERは「株価÷1株当たり純利益(EPS)」で算出します。株価を1株当たり純資産(BPS)で除するのはPBR(株価純資産倍率)です。PER・PBRとも数値が低いほど株価は割安と判断されます。

Q3. NISA(少額投資非課税制度)のつみたて投資枠と成長投資枠は、同一年中に併用することができる。

答えと解説

正解:○

2024年からの新NISAでは、つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)を併用でき、年間最大360万円まで投資できます。非課税保有限度額は生涯で1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)です。

Q4. 下記<資料>に基づくX社株式の投資指標の値として、正しいものはどれか。

<資料>
項目金額
株価2,400円
1株当たり当期純利益(EPS)120円
1株当たり純資産(BPS)1,600円
1株当たり年間配当金48円
答えと解説

正解:3. PER 20倍・PBR 1.5倍・配当利回り 2.0%

PERは株価÷EPS、PBRは株価÷BPS、配当利回りは1株当たり年間配当金÷株価×100で求めます。3つとも分母が何かを取り違えないことが要点です。

  1. PER = 2,400円 ÷ 120円 = 20倍
  2. PBR = 2,400円 ÷ 1,600円 = 1.5倍
  3. 配当利回り = 48円 ÷ 2,400円 × 100 = 2.0%
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間違えやすいポイント・覚え方

この分野で混同しやすいのは、PER・PBR・ROE・配当利回りといった株価指標の分子と分母です。「株価÷1株当たり利益=PER」「株価÷1株当たり純資産=PBR」というように、必ず株価がどちらに来るかをセットで覚えると計算ミスを防げます。また債券価格と金利の関係は「金利が上がると債券価格は下がる」という一方向だけ覚えるのではなく、「新しく発行される債券の利率が上がるなら、古い(利率の低い)債券は売られて値下がりする」という理屈から理解すると忘れにくくなります。TTS・TTBも「顧客が外貨を買うときはS(Sell、銀行が売る)」という語呂で整理すると混同を防げます。

学習のコツとまとめ

金融資産運用は計算問題の比重が比較的高い分野です。公式を丸暗記するのではなく、なぜその式になるのかを一度自分の言葉で説明できるようにしてから、過去問で反復練習するのが効果的です。特に利回り計算・株価指標・為替の計算は実技試験でも頻出するため、3級の段階で計算の型を身につけておくと、その後の学習全体がスムーズになります。

この分野の詳しい解説

金融資産運用のなかでも特に問われやすい論点は、テーマ別の記事で個別に掘り下げています。

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本記事は2026年4月1日法令基準日時点の情報に基づきます。最新の法令は公式情報をご確認ください。