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ポートフォリオ理論の計算|期待収益率の加重平均とシャープレシオをFP3級目線で整理

ポートフォリオ理論は、金融資産運用のなかでも計算と判定がはっきり問われる論点です。覚える制度が多い他のテーマと違い、やり方さえ分かれば確実に得点できるのが特徴で、しかも出題のパターンは限られています。この記事では、期待収益率の求め方を軸に、相関係数の判定、分散投資で消せないリスク、シャープレシオまでを順に整理します。

1. 期待収益率は「加重平均」で求める

まず最重要の計算から。ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を構成比で加重平均して求めます。

たとえば、資産の60%を期待収益率3%の資産Aに、40%を期待収益率5%の資産Bに配分した場合を考えます。

ここで押さえるべきは、単純平均ではなく加重平均であるという一点です。3%と5%の単純平均は4.0%ですが、これは配分比を無視した誤りです。構成比が60対40と偏っている以上、比率の大きい資産Aの3%に引っ張られて、答えは4.0%より小さくなります。

もうひとつのひっかけが、2つの期待収益率を単純に足した8.0%です。比率を掛けずに合計すると必ず大きくなりすぎるので、桁感でおかしいと気づけます。

計算そのものは平易なので、「構成比を掛けたか」を確認する習慣さえあれば取りこぼしません。

2. 相関係数は −1 のときリスク低減効果が最大

次に判定の論点です。相関係数は −1 から +1 の値をとります。2つの資産の値動きがどれだけ連動するかを表す指標で、分散投資の効果はこの値で決まります。

「リスク低減効果が最も大きくなる相関係数はどれか」と問われたら、迷わず−1です。0を選んでしまう誤りが定番で、「無関係ならリスクは打ち消し合いそう」という直感が働くためですが、打ち消し合いが最も強いのは逆方向に動くときだと考えれば区別できます。

片方が下がったときにもう片方が上がる、という関係がいちばんリスクを消してくれる。この絵で覚えておくと選択肢に迷いません。

3. 分散投資で消せないリスクがある

ここまで分散投資の効果を見てきましたが、銘柄数を増やしても低減できないリスクがあります。これも頻出です。

「多くの銘柄に分散投資を行っても低減することができないリスク」と問われたら、答えはシステマティック・リスクです。景気後退や金利の急変のように市場全体を一様に襲うものは、どれだけ銘柄を増やしても逃げ場がありません。

選択肢には特定の業種に固有のリスクも混ぜられますが、これは異なる業種の銘柄に分散することである程度低減できます。つまり答えにはなりません。「消せないのは市場全体のものだけ」と絞り込んでください。

4. シャープレシオは「超過収益率 ÷ 標準偏差」

最後に運用パフォーマンスの評価指標です。シャープレシオは次の式で求めます。

(ポートフォリオの収益率 − 無リスク資産の利子率)÷ 標準偏差

意味としては、リスク(標準偏差)1単位あたり、どれだけ超過収益を得たかを示す指標です。ここでいう超過収益とは無リスク資産を上回る収益のことで、数値が大きいほど効率的な運用と評価されます。

間違いの型は2つあります。ひとつは無リスク資産の利子率を差し引かずに「収益率÷標準偏差」としてしまう誤り。必ず超過収益率を使う点を落とさないでください。

もうひとつは分母をベータ値にしてしまう誤りです。分母をベータ値にしたものはトレイナーレシオという別の指標で、FP3級ではシャープレシオ(標準偏差で割る)を押さえておけば足ります。

理解度チェック(3問)

ここまでの内容が身についたか、その場で確認できます。選択肢を選ぶと正解と解説が出ます。

Q1. 2資産に分散投資する場合、ポートフォリオのリスク低減効果が最も大きくなる2資産間の相関係数は、次のうちどれか。

答えと解説

正解:2. -1

相関係数は-1から+1の値をとり、-1のとき2資産は全く逆に動くため、リスク低減効果(分散投資効果)が最大になります。

Q2. ポートフォリオの資産の60%を期待収益率3%の資産Aに、40%を期待収益率5%の資産Bに配分した場合、このポートフォリオの期待収益率は次のうちどれか。

答えと解説

正解:1. 3.8%

ポートフォリオの期待収益率は各資産の期待収益率を構成比で加重平均して求めます。3%×0.6+5%×0.4=1.8%+2.0%=3.8%です。単純平均ではなく加重平均である点がポイントです。

Q3. ポートフォリオの運用パフォーマンス評価に用いられるシャープレシオの算出方法として、正しいものは次のうちどれか。

答えと解説

正解:2. (ポートフォリオの収益率-無リスク資産の利子率)÷標準偏差

シャープレシオは、リスク(標準偏差)1単位あたりどれだけ超過収益(無リスク資産を上回る収益)を得たかを示す指標です。数値が大きいほど効率的な運用と評価されます。

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間違えやすいポイント・覚え方

この論点でつまずくのは、たいてい計算の型を1か所だけ間違えるケースです。期待収益率なら構成比を掛け忘れて単純平均、シャープレシオなら無リスク資産の利子率を引き忘れる。どちらも「惜しい」間違いなので、式を書いてから数字を入れる手順を徹底するだけで正答率が上がります。

判定の論点は、両端から考えるのが確実です。相関係数なら「+1は全く同じ動きだから効果ゼロ、−1は全く逆だから効果最大」と端を先に確定させれば、真ん中の0が「効果はあるが最大ではない」と自動的に決まります。リスクの分類も「消せないのは市場全体だけ」と一点に絞れば、業種固有のリスクに引っかかりません。

まとめ

ポートフォリオ理論は、4つの型を押さえれば得点源になります。期待収益率は構成比による加重平均相関係数は−1でリスク低減効果が最大分散投資で消せないのはシステマティック・リスクシャープレシオは超過収益率を標準偏差で割る。この4点です。制度改正の影響を受けにくく、一度覚えれば長く使えるのもこの論点の良いところです。Fノピの無料演習にはポートフォリオ理論を問う問題を複数収録しているので、実際に数字を当てはめて計算する練習をしてみてください。

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本記事は他の解説記事と同じく2026年4月1日法令基準日時点の情報に基づいて記述しています。記載した数値例は計算方法を示すためのもので、特定の金融商品の運用成果を示すものではありません。最新の法令・制度は公式情報をご確認ください。