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FP3級 ライフプランニングと資金計画の頻出論点まとめ・攻略ガイド

FP3級学科試験の6分野のうち「ライフプランニングと資金計画」は、FPの仕事の全体像や公的保険制度、教育・住宅資金計画など、暮らしに直結するテーマを幅広く扱う分野です。計算問題よりも制度の仕組みを問う知識問題が中心で、比較的得点しやすい分野といわれます。学科試験は60問(分野ごとにほぼ均等配分)で構成され、この分野からも例年同程度の出題数が見込まれます。細かい暗記よりも「誰が」「いつ」「どのような条件で」給付や制度を利用できるのかという構造理解が得点のカギになります。

1. FPの職業倫理と関連法規

FPは税理士資格がなければ個別具体的な税務相談・申告書作成はできず、弁護士資格がなければ法律相談や法律事務はできません。また金融商品取引法により、投資助言・代理業の登録がなければ具体的な投資判断の助言はできない点も重要です。保険業法上、保険募集人でなければ保険の募集行為はできません。試験では「FPが顧客に対して行ってよい行為・行ってはいけない行為」を組み合わせて問う形式が頻出です。資格ごとの独占業務の境界線を意識して覚えましょう。

2. ライフプランニングの手法とキャッシュフロー表

ライフプランニングでは、家族のライフイベントを時系列で整理した「ライフイベント表」、将来の収支と貯蓄残高の推移を示す「キャッシュフロー表」、ある時点の資産と負債の状況をまとめた「個人バランスシート」の3つを組み合わせて活用します。キャッシュフロー表の作成では、将来の収入・支出額を物価上昇率や昇給率などの変動率で計算する点が特徴で、この計算に用いられるのが「6つの係数」です。

係数用途
終価係数現在の元本を将来いくらにするか
現価係数将来の目標額から現在いくら必要か
年金終価係数毎年の積立額から将来の合計額を求める
減債基金係数将来の目標額から毎年の積立額を求める
年金現価係数将来一定額を受け取るために必要な元本を求める
資本回収係数現在の元本から毎年取り崩せる金額を求める

「積立てるのか」「取り崩すのか」「一時金なのか」を整理すると係数の使い分けが定着しやすくなります。

3. 社会保険制度(医療保険・介護保険)

公的医療保険は、会社員などが加入する健康保険、自営業者などが加入する国民健康保険、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度に大別されます。健康保険には、傷病手当金や出産手当金など、国民健康保険にはない給付があります。医療費の自己負担割合は年齢等により異なり、一定額を超える医療費の自己負担分が軽減される高額療養費制度も重要な論点です。介護保険は40歳以上が加入し、第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40歳以上65歳未満)で保険給付を受けられる原因が異なる点が問われやすいポイントです。

4. 公的年金制度の全体像

公的年金は2階建て構造で、20歳以上60歳未満の全国民が加入する国民年金(基礎年金)を1階部分、会社員・公務員が加入する厚生年金保険を2階部分とします。国民年金の被保険者は第1号(自営業者等)・第2号(会社員・公務員)・第3号(第2号被保険者に扶養される配偶者)の3種類に区分され、それぞれ保険料の納付方法が異なります。老齢基礎年金を受け取るには受給資格期間(保険料納付済期間・免除期間などの合算)が原則10年以上必要です。

5. 老齢給付・障害給付・遺族給付

老齢基礎年金は原則65歳から支給が開始されますが、60歳から64歳の間に繰り上げて受給する「繰上げ受給」や、66歳以降に遅らせて受給する「繰下げ受給」を選択できます。繰上げ受給では請求時期に応じて年金額が減額され、繰下げ受給では増額されるという仕組みは頻出です。減額・増額は生涯にわたって続く点も押さえておきましょう。障害基礎年金・障害厚生年金は、初診日や障害認定日、保険料納付要件を満たすことで支給され、遺族基礎年金・遺族厚生年金は、亡くなった方に生計を維持されていた遺族のうち、それぞれ定められた範囲の人が受給できます。特に遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」に支給される点が特徴です。

6. 教育資金・住宅取得資金の計画

教育資金の準備手段としては、こども保険(学資保険)のほか、日本学生支援機構の奨学金(貸与型・給付型)、国(日本政策金融公庫)の教育一般貸付などが代表的です。教育一般貸付は世帯の年収要件があり、在学中は元金据置で利息のみの返済を選べるなどの特徴があります。住宅取得資金では、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携する全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」が頻出で、融資対象となる住宅の要件や、返済方法(元利均等返済・元金均等返済)の違いが問われます。元利均等返済は毎回の返済額が一定、元金均等返済は当初の返済額が大きく徐々に減っていく点の違いを整理しておきましょう。

7. 中小法人向けの資金準備制度

中小企業の役員・従業員の退職金準備としては、中小企業退職金共済(中退共)や小規模企業共済が代表的です。中退共は従業員の退職金準備を目的とし、小規模企業共済は個人事業主や小規模企業の役員自身の退職金・廃業時の資金準備を目的とする点が異なります。それぞれ掛金の一部が所得控除の対象となる仕組みも押さえておくとよいでしょう。

理解度チェック(4問)

ここまでの内容が身についたか、その場で確認できます。選択肢を選ぶと正解と解説が出ます。

Q1. 税理士資格を有しないファイナンシャル・プランナーは、無償であれば、顧客の確定申告書を代理作成することができる。

答えと解説

正解:×

税理士法により、税理士資格を有しない者は、有償・無償を問わず、確定申告書の代理作成や個別具体的な税務相談を行うことはできません。FPが行えるのは、税制の一般的な仕組みの説明や仮定の事例に基づく計算例の紹介までです。

Q2. 終価係数は、現在保有する一定金額を一定利率で複利運用した場合の、一定期間後の金額を求める際に用いる係数である。

答えと解説

正解:○

終価係数は「現在の金額→将来の金額」を求める係数です。例えば100万円を年2%で10年運用した場合の将来額は、100万円×終価係数で求められます。逆に将来の目標額から現在必要な金額を求めるのは現価係数です。

Q3. 国民年金の第3号被保険者となることができるのは、第2号被保険者に扶養される配偶者で、原則として何歳以上何歳未満の者か。

答えと解説

正解:2. 20歳以上60歳未満

第3号被保険者は、第2号被保険者(会社員・公務員等)に扶養される配偶者のうち、20歳以上60歳未満の者です。保険料の個別負担はなく、第2号被保険者全体で負担しています。

Q4. 下記は、Aさん一家のキャッシュフロー表(一部抜粋)である。空欄(ア)にあてはまる金額として、正しいものはどれか。なお、金融資産残高の変動率は年1%とし、万円未満は四捨五入するものとする。

<資料>
経過年数本年1年後2年後
収入合計(万円)600612624
支出合計(万円)520530540
年間収支(万円)808284
金融資産残高(万円)400(ア)
答えと解説

正解:2. 486万円

金融資産残高は「前年末の残高×(1+変動率)+その年の年間収支」で求めます。前年までに貯めた資産は運用で増えるため、先に変動率を掛けてからその年の収支を足す順番になります。

  1. 前年末の残高 400万円 × (1 + 1%) = 404万円
  2. 404万円 + 1年後の年間収支 82万円 = 486万円
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間違えやすいポイント・覚え方

この分野で受験生がつまずきやすいのは、公的保険の「誰が」「何を」給付されるのかという主体と客体の対応関係です。健康保険と国民健康保険の給付の違い、第1号・第2号・第3号被保険者の区分、老齢・障害・遺族という3種類の年金給付の受給要件は、表にまとめて横断的に比較すると混同を防げます。また6つの係数は言葉だけで覚えようとせず、「今ある元本を将来に増やす(終価)」「将来の目標額から逆算する(現価・減債基金)」「一定期間受け取る/積み立てるための係数(年金現価・年金終価・資本回収)」というように、お金の流れる方向とセットでイメージすると忘れにくくなります。

学習のコツとまとめ

ライフプランニングと資金計画は、公的年金・社会保険・住宅資金・教育資金という、実生活にも役立つ知識が多く含まれる分野です。細かい数値の暗記に偏るよりも、まず制度全体の仕組み(誰が加入し、どのような条件で、何が支給されるか)を理解し、そのうえで過去問演習を通じて頻出のひっかけパターンに慣れていくのが効率的な学習法です。特に公的年金は他の分野(タックスプランニングの社会保険料控除、相続の遺族年金と相続税の関係など)ともつながるため、早い段階でしっかり理解しておくと後の学習が楽になります。

この分野の詳しい解説

ライフプランニングと資金計画のなかでも特に問われやすい論点は、テーマ別の記事で個別に掘り下げています。

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本記事は2026年4月1日法令基準日時点の情報に基づきます。最新の法令は公式情報をご確認ください。