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建蔽率と容積率の計算|FP3級の不動産を得点源にする

建蔽率(けんぺいりつ)と容積率は、FP3級の「不動産」で毎回のように問われる頻出論点です。計算そのものは掛け算だけなので、本来は確実な得点源になります。それでも落としやすいのは、2つの率の定義が入れ替わって出題されることと、容積率には前面道路の幅員による別の制限があること、そして敷地面積が見た目どおりとは限らないことの3点が原因です。この記事では、この3つのつまずきを潰しながら、解く手順の形で整理します。

1. まず「何を測る割合か」を取り違えない

どちらも「敷地面積に対する割合」である点は同じですが、分子が違います。

計算式分子が指すもの
建蔽率建築面積 ÷ 敷地面積建物を真上から見た面積(水平投影面積)
容積率延べ面積 ÷ 敷地面積各階の床面積の合計

「建蔽率とは、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合である」といった形で、定義を入れ替えた○×問題が繰り返し出ています。これは誤りで、延べ面積を使うのは容積率です。建蔽率は「土地をどれだけ覆ってよいか(平面の広がり)」、容積率は「どれだけ積み上げてよいか(延べ床の総量)」と、役割の違いで覚えると取り違えません。

2. 基本の計算は掛け算だけ

上限を求める式は、定義をそのまま移項した形です。

計算例

選択肢には、敷地面積をそのまま並べたもの(上の例なら240㎡・300㎡)や、掛けるべきところを割った値がよく混ざります。求められているのが建築面積なのか延べ面積なのかを問題文で確認してから、対応する率を掛けてください。同じ敷地でも、建蔽率で計算すれば建築面積、容積率で計算すれば延べ面積になります。

3. 容積率は前面道路の幅員でも制限される

ここが差のつくところです。容積率は都市計画で定められた指定容積率だけで決まるとは限りません。前面道路の幅員が12m未満の場合、道路の幅員による制限もあわせて受けます。

法定乗数は、住居系の用途地域は4/10、その他の用途地域は6/10です。前面道路が2つ以上あるときは、幅の広い方で判定します。

計算例

第一種住居地域にある敷地面積200㎡の土地で、指定容積率が300%、前面道路の幅員が6mだとします。

指定容積率の300%をそのまま使って600㎡と答えてしまうのが典型的な誤りです。なお「道路幅員による制限は幅員が12m以上の場合に適用される」という○×問題も出ますが、これは誤りで、正しくは12m未満の場合です。数字ではなく不等号の向きが問われている点に注意してください。

4. 建蔽率には緩和がある

建蔽率の側には、上限が上乗せされる緩和措置があります。

要件緩和
防火地域内にある耐火建築物等(準防火地域内の耐火・準耐火建築物等も同様)+10%
特定行政庁が指定する角地+10%
上記の両方に該当+20%

たとえば建蔽率60%の地域で、特定行政庁指定の角地に防火地域内の耐火建築物を建てる場合、上限は60% + 10% + 10% = 80%になります。さらに、建蔽率が80%とされている地域内で、かつ防火地域内に耐火建築物等を建てる場合は、建蔽率の制限が適用されません(敷地いっぱいに建てられる)。緩和は建蔽率の話であり、容積率には角地や耐火建築物による緩和はない点もあわせて押さえておきましょう。

5. 敷地が2つの地域にまたがるとき

1つの敷地が異なる用途地域にまたがる場合、用途制限と、建蔽率・容積率とで扱いが違います。ここは対比で問われます。

「過半のほうに寄せる」のは用途制限だけで、率は按分する、と整理しておけば取り違えません。

6. セットバックすると敷地面積が減る

計算の起点になる敷地面積が、登記上の面積より小さくなることがあります。

建築基準法では、建築物の敷地は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければなりません(接道義務)。ただし幅員4m未満でも、特定行政庁の指定により道路とみなされるものがあり、これを2項道路といいます。2項道路に接する敷地では、原則として道路の中心線から水平距離2m後退した線が道路境界線とみなされます(セットバック)。道路の反対側が川や崖などの場合は、その反対側から4mの線まで後退します。

重要なのは後退部分の扱いです。セットバック部分は道路とみなされるため、建蔽率・容積率の計算上の敷地面積に算入されません。建築物や塀を設けることもできません。問題文にセットバックの記述があれば、まず後退部分を差し引いて敷地面積を確定してから、率を掛けてください。

7. 解く手順のまとめ

ここまでを1本の手順にすると、次の順に確認すれば迷いません。

理解度チェック(3問)

ここまでの内容が身についたか、その場で確認できます。選択肢を選ぶと正解と解説が出ます。

Q1. 建蔽率とは、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合である。

答えと解説

正解:×

建蔽率は「建築面積÷敷地面積」です。延べ面積(各階の床面積の合計)の敷地面積に対する割合は容積率です。建蔽率と容積率の定義の入れ替えは頻出のひっかけです。

Q2. 面積240㎡の敷地(建蔽率の上限50%、容積率の上限200%)に建築物を建てる場合、建築面積の最高限度は次のうちどれか。

答えと解説

正解:1. 120㎡

建築面積の最高限度=敷地面積×建蔽率=240㎡×50%=120㎡です。建蔽率は敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た面積)の割合です。

Q3. 面積300㎡の敷地(容積率の上限200%)に建築物を建てる場合、延べ面積の最高限度は次のうちどれか。

答えと解説

正解:1. 600㎡

延べ面積の最高限度=敷地面積×容積率=300㎡×200%=600㎡です。容積率は敷地面積に対する延べ面積(各階の床面積の合計)の割合です。

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まとめ

建蔽率は建築面積、容積率は延べ面積。この対応さえ固定できれば、計算自体は敷地面積に率を掛けるだけです。あとは、容積率だけにある前面道路の幅員による制限(12m未満・住居系4/10・その他6/10・低い方)と、建蔽率だけにある角地と耐火建築物の緩和(各10%)を、どちらの率に付く話なのかとセットで覚えるのが近道です。Fノピの無料演習には建蔽率・容積率の計算問題を複数収録しているので、実際に手を動かして手順を固めましょう。

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本記事は他の解説記事と同じく2026年4月1日法令基準日時点の情報に基づいて記述しています。用途地域ごとの指定建蔽率・指定容積率は都市計画で定められ、地域により異なります。実際の土地については自治体の都市計画情報をご確認ください。